この技術で世界に挑戦(117)清本鐵工−高度な型枠設計がカギ 【標題】
この技術で世界に挑戦(117)清本鐵工−高度な型枠設計がカギ

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清本鐵工(宮崎県延岡市、清本英男社長、0982・24・1111)の事業の柱の一つである鋳鋼事業。重さ70トンの世界最大 の舶用アンカーを製造した実績を持つなど大型鋳造品の製造技術は高く、舶用部品を中心に輸出も手がけている。

現在は佐賀工場(佐 賀県武雄市)が主力生産拠点だが、国際競争力をさらに高めようと中国工場(遼寧省大連市)の生産設備の強化を進めている。
鋳鋼事業では重さ数トンから数十トンの大型鋳造品を生産する。内訳は舶用向けなどの鋳鋼部品が8割、舶用アンカーが2割。舶用 アンカーは「キヨモト」ブランドで販売されており、国内トップシェアを誇る。鋳鋼事業の納入先は造船会社が多く、今では韓国の造 船会社にも取引が広がり、舶用部品全体の3割が海外向けだ。

鋳鋼部品ではスタンフレームなど船尾に使用される部品の生産を得意とする。ただ船種や造船会社によってサイズや形が異なるため 、典型的な多品種少量生産。さらに製品が大型のため「高度な技術が求められる」(清本勝士専務)という。
工程はほかの鋳造品と同じように、型枠製作、注湯、冷却、取り出し、粗加工、最終加工を経て完成となるが、製品が大型のため型枠内に溶湯を行き渡らせるためには高度な型枠設計技術が求められる。注湯時も型枠全体に流れ込むか、気泡が発生していないか、細心の注意を払う必要がある。
さらに溶湯が冷えるまで数日かかるなど、工程間連携が効率生産のカギとなる。

現在の生産は佐賀工場で4トン以上の製品、中国工場で3トン以下の製品と分けている。また中国で生産した製品は、一度佐賀へ移送し、最終加工を経て顧客に納める。しかし近年、韓国や中国など海外企業との競争が激しくなっているため、低コストの中国での生産を拡大していく方針だ。
中国工場では05年2月に生産能力を月200トンから同400トンに引き上げた。06年は鋳型の再生ができる設備を約3億円をかけて導入する。これらは将来、中国で4トン以上の製品も生産することを見越したものだ。
日本、中国の2拠点体制確立で競争力 一層の強化につなげる。

(大分支局長・大櫛茂成)
(金曜日に掲載)

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